こんにちは、Mic(@miku427)です✨
先日書いたドイツの労働について・・・
Work to live, don’t live to work.
生きるために働きなさい。
働くために生きてはいけない。
ドイツに住んで暮らすと、ドイツ人の働き方・生き方から学ぶことばかり。
1~2週間の連休は当たり前、金曜は15時に仕事を切り上げて帰ったりと何よりも家族との時間を大切にするドイツ人。
なぜドイツでは少ない労働時間で高い生産性を維持できているのか?
ドイツの労働について

一年間の平均労働時間は日本では一人当たり1745時間、ドイツは1393時間と日本人より年間で352時間も短い。(参考:協力開発機構の2012年の統計)
なぜドイツでは労働時間がしっかり守られているのか?
前回の記事でドイツの労働時間が短い理由として「法律」の観点から5つ取り上げました。
▼前編はこちら✨
- 法律の規制が厳しい
- 部下の労働過多は上司へのペナルティ
- 残業は評価されない
- 転職が当たり前
- 休暇をしっかり取る
今回は「ドイツ人の特性」から考えていきます。
ドイツ人の特性から考える労働について

ドイツでは厳しい法律によって国民の労働が守られています。
しかし、いくら法律で守られていたとしても、商売・サービスにはお客様がいる以上、止むを得ず営業時間が延び残業になったり法律を守ることは難しいと思いませんか?
しかし、この考え方こそが日本で労働が守られていない理由だと気付きました。
日本人は顧客を大切にし集団への帰属意識が強いのに対し、ドイツ人は自己主義的(悪く言うと自分勝手)と考え方に大きな違いがあります。
このドイツ人の特性を理解することこそ、ドイツの労働を学ぶ上で大きなポイント!
自己主義が強いドイツ人
日本人とドイツ人は共に真面目で勤勉な性格だと言われます。
それなのになぜ働き方や考え方は真逆ともいえるほど違うのでしょうか?
これは、日本人が「和」を重んじ集団への帰属意識が強いのに対し、ドイツ人は「個」を重視し自己主義が強いという決定的な違いがあるからです。
ドイツ人はとにかく効率を重視して無駄なことを嫌います。そして家族や恋人と過ごす個人の時間を大切にし、会社のために自分の時間や自由を犠牲にするといった考えはありません。
熊谷さんの著書「5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人」にはドイツと日本の差について以下のように述べられています。
日本企業で社員の行動を律するのは、労働契約書ではなく、上司や同僚との信頼関係だ。ドイツは「性悪説」に基づく契約社会であり、日本は「性善説」に基づく信頼社会なのである。
ここからも分かるようにドイツでは「契約」が社会の基盤なのに対し、日本では「信頼」が社会の基盤にあるのです。
ドイツで労働法が守られているのは、ドイツ人の自己主義的な性格と、契約がすべてといった考え方が根本にあるためなのです。
そのため日本がドイツの労働法を真似したから問題が改善されるわけではなく、まずは日本社会全体の意識を変えることが大切!
消費者が求めすぎない
社会全体の意識を変えるとはどういうことでしょうか?
労働者の意識を変えることも大切ですが、サービスを受ける消費者の意識を変えることが必要不可欠だと考えます。
ドイツに住んでサービスの質の低さに驚くとともに、そのサービスに対して何も感じていない消費者に驚きました。
初めにそれを感じたのは買い物をしたとき。
レジの店員はお菓子をつまみながら座って仕事をし、買い物をする客への態度もとても大きいです。遅い時間に行くと早く帰りたそうにムスッとした顔で接客をされ、思わずごめんなさいとこちらが謝りたくなるほど。
日本のように立ったままレジ打ち、いらっしゃいませといった挨拶なんて考えられません。
しかしそれが当たり前になると驚くこともなくなり、質の高いサービスを相手に求めることもなくなります。
ドイツでの生活に慣れたころ、久しぶりに日本人が経営するラーメン屋に行きました。
そこでは、いらっしゃいませの挨拶、急いでオーダーを取る店員、机を拭いてくれる、おしぼりが出る、会計の早さ・・・
以前までは当たり前だと思っていたはずのサービスに驚き感動している自分がいました。
不思議なもので、質の高いサービスに慣れると質が低いサービスに嫌気がさすのに対し、質の低いサービスに慣れるとそれが当たり前となり労働者にそれ以上を求めないのです。さらには質の高いサービスを受けたときに喜びを感じるようにまでなります。
こうしてみていくと、日本ではサービスを与えすぎ、そしてサービスを受ける消費者が求めすぎです。
そして高いサービスを追い求めすぎたが故に、それがエスカレートして過剰サービスになっている。
日本ではこうした過剰サービスを見つめ直し、労働時間や休暇を取れるように効率の見直しが必要なのです!
信頼関係や客への配慮が大切にされる日本。
その日本で労働を改善していくためには、労働法の改善を行うことはもちろん、まずは国民の意識を変えることが重要なのです!
働く目的は人それぞれ異なります。
でも全員に共通する目的は「生きるための手段」ではないでしょうか?
働きすぎて健康を損なってしまったら?本来働く目的の意味がなくなってしまいます。
一番大切なのは、命、健康。
何があっても健康で幸せな生活を送るという本来の目的を見失ってはいけない。
ここを一番強く皆さんに感じて欲しいです。
最後に
実際にドイツに住み、ドイツ人の考え方から学ぶことばかりです。
そして日本を離れて海外で暮らすことで、日本の良い部分・悪い部分を改めて感じています。
日本のサービスのクオリティは世界に誇れる素晴らしいもの!
でも、それが原因で健康を害したり家族との時間を取れず不幸になるのでは意味がない!
日本がもっと幸せな国になるために、働き方や労働法を見直すことはもちろん、一人一人の意識を変えることが大切だと心から思いました。
Work to live, don’t live to work.
生きるために働く、働くために生きてはいけない。
日本をもっと幸せな国にしよう✨
▼前編はこちら✨
▼ドイツの食文化も面白い!
それでは、おしまい♩