高校一年生の冬、大好きな父が旅立ちました。
部活を終え開いた携帯にあった無数の着信
必死にかけあがった病院の階段
あの日のことは一生忘れることはありません
二週間後には東海大会、
二か月後には応援に来てくれる予定だった全国大会が控えていました。
少しでも立ち止まったらもう二度と進めなくなりそうで、
翌日に目を腫らしてテニスコートへ向かったことを覚えています。
コーチがいつもと変わらず「おはよう」と迎えてくれました。
涙が滲んで前が見えなかったけど「おはようございます!」
いつもと変わらない挨拶を交わしたことを覚えています。
当たり前だと思っていた毎日が急に変化し、
ただ毎日を必死に生きていたことを覚えています。
あれから10年・・・
こうして振り返ると、よく頑張ったな。
ようやく笑顔で父のことを話せるようになったので
今日はわたしの大好きな父の話をします✨
わたしの父は、一言でいうと「スゴい人」でした。
家族をとても大切にするお父さんでした。
いつも週末になるとご馳走やケーキをレシピも見ず作ってくれた。
熱々の鉄板の上でジュウジュウと音を立てて出てくるハンバーグが大好きだったな〜。
試合の前日は深夜に帰ってきてガットを張り替え、アドバイスを書いたメモを残して朝早くに仕事へ向かっていました。
仲間を大切にする父でした。
わたしが試合で負けた後も、チームの皆を大声で応援してくれました。
(日本代表の先輩にまでアドバイスをしてしまう父でした。笑)
友達のこともみんな呼び捨てで呼んですぐに仲良くなっていたね。
会社では、責任感が強く決して諦めない人でした。
お葬式のとき、部下の人が棺にしがみついて声をあげて泣いてました。
会場には人が溢れ、たくさんの人が外まで列を作ってくれました。
みんなのことを心から愛し、みんなに愛される自慢の父でした。
そんな父を失って 心に大きな穴があきました。
もう幸せには生きれないと思いました。
でもね・・・
いま「幸せ」に生きています。
それは
父が残したある “教え” のおかげでした。
幸せに生きるとは?
そもそも幸せに生きるってなんだろう?
辞書には、幸せとは「満ち足りていること」とあるけど
満ち足りていることってどういう状態のことだろう?
人それぞれ幸せのあり方は様々だけど、
父の考える幸せとは「生きがいを持つこと」でした。
小学生のとき毎日書いていた(当時は書かされていた)
テニスノートにそんな父の想いがぎっしり詰まっていました。

父は 幸せに生きるために
生きがいを持って生きるために
3つのことを教えてくれました。
1. 目標(どうなりたいか)を持つ

一つ目に、目標を持つことです。
父は目標設定をすごく大切にする人でした。
オリジナルのテニスノートには、将来の夢、5年後・3年後になりたい姿、
そして1年後・今月・今週・毎日の目標を書く欄がありました。
まだ小学生だったわたしには、5年後の姿なんてまったく想像もつきませんでしたが、分からないなりに必死に考え、毎日ノートを作成していました。
当時はやらされている意識しかなく、 なんでこんなことやらなきゃいけないんだろう、練習で疲れたし早く寝たいな〜とばかり思っていました。
しかし、この目標設定こそが今の自分を作っています。
父が亡くなってからも目標設定と計画は続け、高校時代は仲間と切磋琢磨し、目標には一歩届かなかったものの全国大会3位に入賞できました。
大学時代は入学時から目指していた会社へ入社すべく、4年間の計画を綿密に練り、必要な資格を取得し、TOEIC500点アップ、目標としていた会社のスタートラインに立つことができました。
そして、大人になった今も、この目標シートを作成し続けています。
なりたい自分になるために何をすべきか、計画を立て、行動し、振り返り、それをノートにまとめて常に持ち歩いています。
目標に向かって頑張ることで、自分の成長を楽しむことができるし、自分に自信を持つことができる!
毎日にメリハリがつき、時間を大切に過ごすことができる!!!
そして、もう一つ大切にしているのは目標を公言すること。
夢や目標は自分の中で眠らせないようにしています。
大学時代は、4年間の目標と計画を書いたシートをリビングに張り出していました。
嫌でも自分の目に入ってくるし、家族や家を訪れたお客さんの目にもつき、達成することへの責任がより強くなります。
そして、目標を公言することは単に責任が生まれるだけではなく、
自分を支えてくれる人に出会え、チャンスを作り出すこともできます。
当時もリビングのシートを見て、入りたい会社の人と話しをする機会を設けてもらうことができました。
学生が参加できないイベントに参加することもでき、人との繋がり・情報量が増え、チャンスが大幅に広がりました。
こうした自身の経験から「目標(なりたい自分)を持つこと、目標を公言すること」はすごく大切なことだと身をもって感じています。
夢も目標もチャンスも待っていて訪れるものではなく自分で作るもの!
そんなことを父は伝えたかったのではないでしょうか?
2. 自ら考え 工夫する

次に、目標(どうなりたいか)を達成するためにどうすべきかを考え、工夫すること。
夢は願望ではなく、叶えるためのもの。
目標は理想ではなく、達成するためのもの。
そのために、とにかく考え続けること、工夫し続けることが大切です。
初めからうまくいくことなんてないし、初めはできなくって当たり前!
できないことをできるように考え工夫することで、少しずつ理想に近づき、自分に自信を持つことができます。
わたしは、人生の価値は、自分の時間を使って得た自分自身の経験が大切だと思っています。
たとえお金や物に価値がなくなることはあっても、自ら考えたこと・工夫して得たことは誰にも奪われないし、その価値はずっと変わらない。
だから、目標を持って、考え、工夫して、限りある時間を自分の経験に惜しみなく使いたいです^^
目標を持って進む中で、どちらが正しい道なのか、良い選択なのか、どれだけ考えても分からず、道に迷うこともあります。
そんなときは、苦しい道を選ぶようにしています。
これだけ言うとただのドMみたいですが・・・
一回ぶつかって乗り越えれなかった壁って、絶対にまたぶつかると思うんですよね。
だから苦しい道を選ぶのは辛い選択だと思われるかもしれないけど、長い目でみれば楽な選択かもしれない!
いつか苦しむなら早いほうがいい!!!わたしは大嫌いなピーマンをハンバーグより先に食べるタイプです!(ん?例えがおかしい?)
と、ちょっと脱線しましたが・・・
大切なのは目標を決めたらクリアするために「できる理由」を考え工夫すること。
思い描くことができてクリアできない夢や目標はぜったいにないと信じています^^
キングコング西野さんの革命のファンファーレに「努力量が足りない努力は努力ではない。誤った努力もまた努力ではない」という印象的なフレーズがありました。
結果までの道のりをいかに考えるか、工夫するか、結びつけるか、これが「正しい努力」なのかもしれないですね^^
3. 家族・仲間を大切にする

そして最後に、家族・仲間を大切にすること。
これはいつも父から言われ、両親の姿から学んだことでした。
わたしの両親は「ありがとう」という言葉をよく使っていました。
何かしてもらったことに対してすごく感謝をする人でした。
人に感謝をすること、感謝を伝えることはすごく大切なこと。
人は一人では生きていけないし、完璧な人なんてこの世にはいません。
でも足りないところがあるからこそ助け合うことができて、
助け合い、支え合うことで幸せを感じることができる。
そんな家族や仲間がいることはとっても幸せなことです。
父を亡くして、当たり前だと思っていた日常こそ一番の幸せで、
感謝すべき有り難い宝物なんだと気づくことができました。
父が大切にしていた「有り難う」という言葉・・・
漢字にすると「有ることが難しいこと」と書きます。
当たり前に感じがちな日常こそ、
本当は 有ることが難しい幸せな奇跡 でいっぱいでした^^
父がわたしに伝えたかったこと。
幸せに生きるために、生きがいを持つこと。
そのために、目標を持つこと、考えること、家族・仲間を大切にすること。
運良く訪れた「幸せ」は訪れてはすぐに消えてしまいます。
でも 生きがいを持ち人生が充実していれば
当たり前のことに感謝することができれば
うまくいかないことがあっても頑張ることができる。
また 新しい幸せを創り出すことができる。
ずっと幸せに生きることができる。
こんな素敵な教えを、父はわたしに残してくれました。
最後に
父は若くして天国に旅立ってしまいましたが、
限られた時間の中でとても大切なことを伝えてくれました。
当時は父の伝えたいことが理解できなかったけど、
最近になって理解できることが増えてきました。
その度に 父の大きな愛情を感じます^^
もっと人を大切にしようと思うことができる。
自分が生きている意味について考える。
そのおかげで 今を大切に生きることができています。
ほんとうに 感謝しています。
大好きな父とはもう話すことができないけど・・・
こうして父がくれた言葉や愛情の意味を考えることが
父がわたしの中で 生き続けることだと思っています ^^
父が旅立って10年。
いまも これからも
父は わたしの心の中で 生き続けます✨